- 「大動脈解離」は、「解離性動脈瘤」「解離性血腫」とも呼ばれています。
- 大動脈解離とは、3層構造を作っている大動脈のうち真ん中の層の膜(中膜)に、なんらかのきっかけによって血流が入り込んでしまい、層構造が別々に剥がれていく(解離してしまう)疾患。
- 大動脈解離は多くの場合、胸部大動脈で起こります。動脈瘤が破裂すると胸や背中の肩甲骨の間あたりに激痛が走ります。そして、動脈の解離が進むにつれ、痛みの場所も移動していくのが特徴です。大動脈解離によって2列に分かれた血管は極めてもろく、破裂すれば即死してしまう可能性もあります。強烈な痛みは患者の96%に見られ、解離の場所を推定するのにも重要な症状である。心不全症状を起こすこともあるほか、初発症状が突然死であることもある。また、解離によって血圧の上昇または低下が起こるほか、胸水の貯留が見られることもある。
- 発症から2週間以内を急性期、それ以降を慢性期と分類します。2週間から3ヶ月を亜急性期と呼ぶこともあります。まれに発症時期不明な場合もあります。
- 大動脈解離は、心臓の近くで起こった種類のものには手術、心臓から遠い場所で起こった種類のものには投薬といった選択が行われることがほとんどです。
- 手術では、一般的に、急性期で上行大動脈が解離していれば、緊急手術の対象となります。下行大動脈から始まる急性解離は、安静、血圧管理などの内科的治療(保存的治療)になります。ただし臓器の合併症を起こしていたら手術が考慮されます。また、血管外へ血液が漏れたり破裂したときも当然緊急手術の適応になります。
- 急性期に手術が行われなかった場合、あるいは発症時期不明で偶然発見された場合が慢性期になります。前者の場合が多いため、主に下行大動脈解離がその対象となります(大動脈弓部が含まれることもあります)。この場合の手術の適応は、瘤となった場合(つまり「解離性大動脈瘤」)で、大動脈瘤の手術適応に準じます。まれに慢性期でも臓器の合併症を起こすこともあり、手術が考慮されます。
- 大動脈解離は高血圧が大きな要因となっていると考えられるので、投薬治療の場合には血圧を低く保つことをめざします。また脳卒中や心臓発作といった合併症を引き起こす可能性もあるため、経過は注意深く見守られます。
- 検診は激痛から大動脈解離を疑います。胸部X線で大動脈陰影や上縦隔の拡大が見られることがあるが、特に所見が見られないこともあるため、基本的にCTやMRIで診断します。